


「なんじゃ~ こりゃ~!」
「太陽にほえろ!」のGパン刑事のセリフ・・・ではありません。(古っ!)
広告業界から不動産の世界に飛び込んだときの、石で頭をガツーン!とぶん殴られたような
あのカルチャーショックは、おそらく一生忘れることのできないであろう衝撃でした。
私がこの業界に入ったのは26歳のころ。
不動産という、大きな買い物を扱う不動産業や不動産市場というものは、さまざまな意味で
もっときちんと整備されているに違いないと思っていました。
だって、何千万円とか億単位の物件を扱うのですから。
個人にとっては一生のうちで、一番大きな買い物にたずさわるのですから。
ところが実際はどうでしょう。
不動産を売る人も、買う人も、そして売買に携わる業界人も、
誰もが取引する不動産のことをよくわかっていないなかで、取引が行われているのです。
「こんな業界があったのか!!」
大きな驚きと共に、なんともいえない、現状に対する強い義憤のような感情を覚えたものです。
それでも、業界の新人である私は、夢中になって不動産を売ってきました。
おかげさまで人や状況に恵まれ、1年とたたないうちにひとつのお店を任されるまでになっていったのです。
さらにその後、分譲事業部の新規立ち上げにかかわるなど、
短期間のうちに非常に多くの仕事を覚えることができる立場にありました。
やがて、不動産の世界について一通り理解ができるようになり、まわりがよく見え始めるようになると、
業界に入ったころのあの疑問が再び、私の脳裏に浮かぶようになります。
「不動産の扱い方って、こんなんでいいのだろうか?」
今のままでは、確率的に何かしらの問題が起きる“ロシアンルーレット”のようなものだ」
「もっと、きちんとした考え方ややり方があるのではないだろうか?」
「どうすれば不動産業についてもっと窮(きわ)めることができるのだろうか?」
とにかくもっと勉強が必要なことだけは確かなようです。
[よし、もっともっと根本的に、日本の人と不動産の関係について勉強しよう!」
日本の人と不動産の関係についての根本的な疑問を払拭するために、
不動産そのものや経済、海外事例、歴史など、関わるすべてについて、泥縄式に勉強を始めました。
このころは、一生のうちで最も勉強をした時期だと思います。
・・・ところが、この勉強が、ちょっと意外な結果をもたらしたのです。
「もう、いままでのように不動産を売ることはできない」
これが私の結論となってしまったのです。
勉強を通じて、さまざまなことがわかりました。
・日本の住宅はもう、明らかに造りすぎであること
・買ったそばから住宅の価値が落ちるのは、日本だけであるということ
・新築が売れ、中古住宅の流通が少ないのも日本だけであること
・不動産取引の仕組みがまったく整備されていないということ
・私達日本人の不動産に関するリテラシーが、決定的に足りないこと
あげたらきりがありませんが、欧米など海外の不動産事情と比べて、
明らかに日本の不動産の世界が遅れているということが、わかりました。
また、不動産購入にあたっての結論には本来、いろんなパターンがあります。
それはもちろん、いま買ったほうがいいのかもしれないし、もしかしたら買わないほうがいいのかもしれません。
あるいは、5年後がベストかもしれないのです。このような、ベストな選択肢を提供するのが、
本当のプロフェッショナルだろうというのが、私の持論です。
誰にでも買うことを勧める仕事。売ることが目的の仕事。
いつでも「今が買い時ですよ」という仕事は「セールス」であって「不動産業」ではないと思うのです。
わかりやすくいえば、自分の親や兄弟、あるいは親友に、本音でアドバイスをするのと同じことができなければ、
それは不動産業ではないと、私は思うようになっていったのです。
そんな想いから突然、会社をやめて独立。
1999年、個人向け不動産コンサルティングサービスを手がける「さくら事務所」をスタートさせます。
さくら事務所は、一言でいえば「不動産のかかりつけのお医者さん」。
取引に利害関係のない第三者として、調査やコンサルティングを提供する、国内初のサービスです。
当初3年間はまったく認知されず、方々から借金を重ねたり、土手で草を取ってきて食べたりしていましたが、
徐々に人気が高まり、現在では15,940組を超えるみなさんに、
さくら事務所のサービスを利用していただけるまでになりました。(2008年8月16日現在)
ところで、さくら事務所には連日、たくさんの不動産購入予備軍が集まってきます。
そこで聞こえるのは、不動産業者に対する不満。
「こちらの要望に応えてくれない」
「あんな仕事に、3%もの仲介手数料を払いたくない」
などなど。
とにかく「業界の常識は世間の非常識」とでもいうようなことが、あまりにも多すぎるのです。
第三者としての役割が必要である一方、当事者として、つまり不動産売買に直接関わるプイレイヤーとして、
新しい形を提示してみたいという気持ちが強くなっていったのです。
これがハウスハウス事業を始めることとなったきっかけです。
これから何回かに分けて、不動産業界の現状や展望、不動産購入ノウハウなどについてお話したいと思います。どうぞご期待ください。
Backnumber
長嶋 修 (ながしま おさむ)
■国土交通大臣認定不動産コンサルティング技能登録 (1)23626号/■宅地建物取引主任者/
■経済産業省 今後の住宅産業のあり方に関する研究会 委員/■経済産業省 平成18年度住宅ストック流通促進委員会 委員/
■埼玉県 安心リフォーム普及事業
埼玉県リフォーム工事検査マニュアル作成会議 構成委員/■経済産業省 平成17年度消費者エージェント普及検討委員会 委員
■経済産業省 国土交通省 平成17年度住宅ストック利用促進研究会 委員/■経済産業省 平成16年度住宅産業関連ニュービジネス支援策検討委員会 委員
■日本ホームインスペクターズ協会 理事長/■株式会社ライフデザイン 取締役/
■NPO法人すまひとプロジェクト 理事長/■不動産投資家倶楽部『EXCEED-X(エクシード エックス)』 主宰