


前回お話したとおり、これが私の不動産流通に初めて触れたときの感想です。
だって、売る人(住宅の売主さん)はもちろん買う人も、そして不動産仲介業者の担当者も、
誰も建物のことをきちんと把握しないまま、売買が行われているのですよ。
私が創業したさくら事務所(http://www.sakurajimusyo.com)では、「ホームインスペクション(住宅診断)」を
行っていますが、ここではとっても面白い現象に遭遇します。
例えば売り出し価格3,000万円の中古住宅を、10件並べて調査したとします。
すると「これは3,000万円の価値はないなあ」と思えるものがたくさんあり、
一方で「これが3,000万円ならお買い得なんじゃないの?」と思えるものもたくさんあるのです。
つまり、中古住宅市場の一般的な価格付けに対して「実際の価値」「本当の価値」がぜんぜん違うのです。
バラつきが非常に大きいのです。だからこそ「中古住宅は怖い」とか「よくわからない」ということになり、
「だから新築にしておこう」などという流れがあります。
でもよく考えると、これは大きな矛盾です。
いくら新築を選んだところで、買って人が住んだ瞬間にそれは「中古住宅」になります。
そして、問題は中古住宅市場の価格付けの手法。日本の住宅査定は、とにかく新築のときが一番高く、
中古になった瞬間に建物の価値が15%~20%も下落します。一瞬で下落してしまうのです。
そして木造住宅の場合には、25年程度で限りなくゼロに向かってまっしぐらです。
当初10年くらいの下落率が最も大きく、およそ半値近くになってしまいます。
そうなると、新築住宅を購入した人は大変です。住宅を買って、ローンを組んだ瞬間から、
「“住宅の資産価値”と“ローン残高”の下落競争」が始まるのです。
ちなみに日本で住宅を購入する方の多くが住宅ローンを組み、物件価格の90%程度というのが平均的な姿です。ということは、新築を買って住んだ瞬間に、すでに潜在的な「家庭内不良債権」が発生しているのです。
つまり、すぐに住宅を売ってしまったらマイナスになり、借金が残ることになります。
なぜ日本の住宅市場はこんな状況なのか。その秘密は、「建物の査定方法」にあります。
次回はその秘密についてお話しましょう。
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長嶋 修 (ながしま おさむ)
■国土交通大臣認定不動産コンサルティング技能登録 (1)23626号/■宅地建物取引主任者/
■経済産業省 今後の住宅産業のあり方に関する研究会 委員/■経済産業省 平成18年度住宅ストック流通促進委員会 委員/
■埼玉県 安心リフォーム普及事業
埼玉県リフォーム工事検査マニュアル作成会議 構成委員/■経済産業省 平成17年度消費者エージェント普及検討委員会 委員
■経済産業省 国土交通省 平成17年度住宅ストック利用促進研究会 委員/■経済産業省 平成16年度住宅産業関連ニュービジネス支援策検討委員会 委員
■日本ホームインスペクターズ協会 理事長/■株式会社ライフデザイン 取締役/
■NPO法人すまひとプロジェクト 理事長/■不動産投資家倶楽部『EXCEED-X(エクシード エックス)』 主宰