HOUSE×HOUSE OFFICIAL SPECIAL CONTENTS

日本の住宅査定の不思議

Policy

不動産コンサルタント
株式会社さくら事務所 創業者 取締役会長

私の人生の目的は

『日本の人と不動産のより幸せな関係を追求し

       その思想を世の中に広めることです

プロフィールへ

長嶋 修

長嶋 修(ながしま おさむ)

日本の住宅査定はとっても不思議です。おそらく他業界の方が知ったらびっくりすると思いますよ。

その価格付けはといえば、いい加減な業者が造ったペナペナの住宅も、
注文住宅で凝りに凝った住宅もとにかく、25年で一様に価値ゼロ、というものです。
実際には「ゼロではかわいそうだから200万くらいつけますか」みたいな、
非常に大雑把というか、多分に感覚的な価格付けなのですが。
ところが実際には、築25年でもまだ十分に住むことができる住宅、
多少の手直しをすれば見事に再生する住宅もありますし、築20年でも「これはヤバイぞ!」というものもあります。前コラムで「住宅購入はロシアンルーレットだ」といったのは、そういう意味です。

住宅査定を行うのは、不動産仲介業の担当者ですが、一般的に彼らは建物の知識を持ち合わせていません。
不動産のプロといえば、建物についても詳しいだろうと思われるかもしれませんが、それは大きな誤解です。
不動産の世界は専門分野が多岐に渡り、かつ物件の種別・構造もたくさんあって、
すべてについてオールマイティーで理解している人など、おそらくこの業界に皆無だと思います。
私も日々、一所懸命勉強していますが、それでもすべての構造、
すべての取引形態に精通しているわけではありません。

いずれにせよ日本では、建物はどうせ25年でゼロになる、
いわば耐久消費財のような扱いであるのが常識なのですから、
不動産仲介業者の査定担当者が建物の知識を持ち合わせていないのは、無理もないことです。
建物の本質的な価値を見極める、建物の知識を吸収することなく、ここまでやってきた、やってこれたのです。

しかし、このような事態は、少なくともOECD各国の中では日本だけです。
建物の見極め、つまり人間で言えば健康診断は、他国では取引の際に、それこそ常識のように行われ、
それがリニアに価格に反映されます。
価値のある住宅は、30年たっても50年たっても価格がつきます。
むしろある程度築年数が経過しているほうが、特有の風合いをかもし出したりして価値が高くなるほどです。
住宅取引の際には、ホームインスペクターが建物の劣化具合などについて診断を行い価格に反映したり、
取引の参考にされています。

このような状況に対し日本も、いつまでも手をこまねいているわけではありません。
すでにさくら事務所には連日、お断りするほどの「ホームインスペクション(住宅診断)」の依頼があります。
国もホームインスペクションの浸透を歓迎しており、住宅の査定マニュアルの見直し作業も行われていて、
やがて常識になるのは時間の問題です。

では、ホームインスペクション(住宅診断)が常識になると、どのようなことが起こるでしょうか。

 

Backnumber



Profile

長嶋 修 (ながしま おさむ)

■国土交通大臣認定不動産コンサルティング技能登録 (1)23626号/■宅地建物取引主任者/
■経済産業省 今後の住宅産業のあり方に関する研究会 委員/■経済産業省 平成18年度住宅ストック流通促進委員会 委員/
■埼玉県 安心リフォーム普及事業 埼玉県リフォーム工事検査マニュアル作成会議 構成委員/■経済産業省 平成17年度消費者エージェント普及検討委員会 委員
■経済産業省 国土交通省 平成17年度住宅ストック利用促進研究会 委員/■経済産業省 平成16年度住宅産業関連ニュービジネス支援策検討委員会 委員
■日本ホームインスペクターズ協会 理事長/■株式会社ライフデザイン 取締役/
■NPO法人すまひとプロジェクト 理事長/■不動産投資家倶楽部『EXCEED-X(エクシード エックス)』 主宰