


『“マンション”と“一戸建て”、どちらを選ぶのがいいでしょうか?』
よくこんな質問を受けます。
今回は主にお金の面から、マンションと一戸建ての違いについて考えてみましょう。
●資産価値
「立地」という点では、マンションに軍配が上がります。
例えば同じ駅で、同じ価格のマンションと一戸建てなら、マンションのほうが駅から近いところにあります。
一戸建ては2階建て、あるいは3階建てであるのに対して、マンションは土地を共有にして、
建物を高く積み上げることで効率を追求しているためです。
ただし、駅に近いから得だ、損だとは一概に言い切れませんね。
自身やご家族がどんな生活がしたいか、そんな場所に住みたいかということが、あくまでも最優先でしょう。
建物の耐久性も、ややマンションが有利とされています。
RC(鉄筋コンクリート造)のマンションの寿命は50年弱、木造一戸建ての寿命は30年というのが、
過去の平均値です。
ただし実際は、しっかりと設計され、きちんと工事が行われて、入居後のメンテナンスが適切に行われていれば、マンションでも一戸建てでも100年はもちます。
耐久性についてはどちらも同じくらいだと考えていいでしょう。
では、入居後にかかるランニングコストはどうでしょうか?
●「管理費」と「修繕積立金」
マンションの場合「管理費」や「修繕積立金」が毎月かかります。
「管理費」は、清掃などを管理会社に委託することに対する報酬で、毎月なくなっていくコストです。
「修繕積立金」は、所有者全員による「積立貯金」のようなもの。
この積立金で、屋根や外壁など、マンションの大規模な修繕を行ったりします。
ファミリータイプのマンションの平均的な管理費は、15000円程度。修繕積立金は12000円程度必要です。
新築マンション販売時には、修繕積立金の額を、5000円など低めに設定しているケースがほとんどですが、
実際には、あとで増額したり、大規模修繕の際に一時金を徴収することになりますので、
平均するとこのくらいかかるとみておいたほうがいいでしょう。
一戸建ての場合、清掃などの管理は所有者が自分で行いますので、マンションでいう「管理費」はかかりません。マンションの場合、お部屋(専有部分)以外は、バルコニーも含めて所有者全員の共有財産ですから、
所有者で結成する管理組合で、管理の内容や費用、修繕積立金の額や修繕計画について
話し合って決める必要があります。
ポイントは、この「話し合い」です。
マンション管理組合の運営がうまくいっているマンション、所有者の意識が高いマンションは、
管理費の妥当性や修繕計画について適切な措置をとることができます。
一方管理組合の運営がうまくいっていない、所有者の意識が低いマンションは、割高な管理費を払う、
修繕積立金が足りない、必要のない修繕を行う、修繕をせずに建物を傷めて耐久性を損なうなど、
マンションの資産価値を著しく劣化させてしまうことになります。
つまりマンションの場合、うまくいけば「規模のメリット」が働いて、効率よく、良好な資産形成ができるのですが、
そうでない場合には「ジリ貧マンション」になってしまう可能性もあるということです
なお、修繕積立金はあくまでも「屋根」「外壁」「廊下」「集会室」など、共用部分を修繕するためのお金です。
20年目くらいには、キッチンや給湯器などの設備の寿命がやってきます。
クロスやフローリングもとりかえたくなるでしょう。これらお部屋の中のリフォーム費用は、
所有者が個別に負担する必要があります。
一戸建ての場合には「修繕積立金」はありませんが、「修繕費用」にあたるものは、
個人の負担と責任で積み立てておく必要があります。
一戸建てにかかる大きな修繕費用としては、まず15年目くらいに、外壁や屋根の修繕があります。
30坪・4LDK程度の一戸建てで、120万円~150万円くらいです。
一戸建ての修繕のためのお金は、建物価格の1パーセントを毎年、積み立てておくとよいでしょう。
1800万円の建物なら年間18万円。月々15000円ですね。
●駐車場料金
マンションに駐車場がついている場合、その料金設定は様々です。
なかには「駐車場無料」などというところも。
ただし、この場合には、駐車場料金の行方をよく考えてみる必要があります。
通常、駐車場料金の多くは、マンション購入者で積み立てる「修繕積立金」に充当されます。
駐車場料金が無料ということは、積立金がたまらないということになります。
ゆえに、たとえ無料であっても無形のコストは支払っているのだと考えておいたほうがいいでしょう。
近隣にある駐車場の料金と同じくらいは見積もっておいたほうがいいでしょうね。
駐車場つきの一戸建てを購入すれば、もちろん駐車場代はかかりません。
ただし、その分の土地を購入するわけですから、例えば5坪分の土地を駐車場として利用する場合、
土地の坪単価が70万円のところなら、350万円分ということになります。
35年の住宅ローンを組んで買うとすると、1年あたり10万円。月々約8,300円ですね。
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長嶋 修 (ながしま おさむ)
■国土交通大臣認定不動産コンサルティング技能登録 (1)23626号/■宅地建物取引主任者/
■経済産業省 今後の住宅産業のあり方に関する研究会 委員/■経済産業省 平成18年度住宅ストック流通促進委員会 委員/
■埼玉県 安心リフォーム普及事業
埼玉県リフォーム工事検査マニュアル作成会議 構成委員/■経済産業省 平成17年度消費者エージェント普及検討委員会 委員
■経済産業省 国土交通省 平成17年度住宅ストック利用促進研究会 委員/■経済産業省 平成16年度住宅産業関連ニュービジネス支援策検討委員会 委員
■日本ホームインスペクターズ協会 理事長/■株式会社ライフデザイン 取締役/
■NPO法人すまひとプロジェクト 理事長/■不動産投資家倶楽部『EXCEED-X(エクシード エックス)』 主宰